01 / 今日の一番
調査で負けていた側が、1位 になった——ブラジル
【事実】ブラジル の大統領選は 4日 の1回目で、フラビオ・ボルソナロ 上院議員 が 約47%、現職の ルラ 大統領 が 約45%。どちらも過半数に届かず、10月25日 に決選投票 です。
【背景】直前の調査(Datafolha・4,006人)は ルラ 45%、ボルソナロ 42% でした。フラビオ 氏 は、クーデター未遂で禁錮27年 の刑を受けて自宅で服役中の ジャイル・ボルソナロ 前大統領 の長男 です。
【見立て】聞いた答えと、実際の選択は違います。うちの現場なら、アンケートより先に「実際に買われた記録」を見る。
"聞いた答えと、実際の選択"の骨格(ブラジル 大統領選・1回目)
投票直前の調査(Datafolha)
ルラ 45% / ボルソナロ 42%
→
10月4日 の1回目の結果
ボルソナロ 約47% / ルラ 約45%
🗣 まわりの反応
- フラビオ・ボルソナロ 氏=「ブラジル は変化を望んでいる。結果にとても満足している」「労働者党の時代の終わりを、ここに宣言する」(MercoPress / i24NEWS)
- ルラ 大統領=「正直に言えば、1回目 で勝つと確信していた」「2回目 こそが本当の試験だ」。相手については「暗い過去の経歴を持つ、不確かな存在」と批判した(MercoPress)
- 論点:Quaest の調査も ルラ 氏 の5ポイント リードを示していた。決選投票の調査では両者がほぼ互角とされ、フラビオ 氏 が捜査を受けている Banco Master の件(起訴はされていない)が争点になるかも注目される
L Lの見立て
この選挙で考えたのは、「聞いた答えと、実際の選択は違う」 ということです。投票の前日、調査は ルラ 氏 の3ポイント リード。結果は ボルソナロ 氏 の2ポイント リード。4,000人 に丁寧に聞いても、ずれは出ます。調査が悪いわけではありません。人は、聞かれた時の答えと、1人 で決める時の選択が違う。商売でも毎日 起きています。アンケートで「欲しい」と答えた人が、発売日に買うとは限らない。「高い」と言った人が、実はいちばんの常連だったりする。だから、聞いた声より、実際に払われたお金の記録を先に見る。声は、その記録の理由を探す時に使う。今日の20分:先月の売上の記録から「実際に一番選ばれた商品」を1つ 確かめ、自分の予想と並べて書く。ずれた所に、次の一手があります。
発信するなら:「ブラジルの大統領選。投票前日の調査では、現職のルラ氏が3ポイントリード。結果は、ボルソナロ氏が2ポイントリードで1位。何千人に丁寧に聞いても、ずれは出る。人は、聞かれた時の答えと、1人で決める時の選択が違う。商売でも毎日起きている。アンケートで『欲しい』と答えた人が、発売日に買うとは限らない。『高い』と言った人が、実はいちばんの常連だったりする。だから、聞いた声より、実際に払われたお金の記録を先に見る。声は、その理由を探す時に使う」
★ SNSネタMercoPress / i24NEWS / CNBC / NPR / Washington Post / AFP
02
強い言葉の裏で、台所がきしむ——イラン
【事実】イラン の最高安全保障委員会の レザイ 書記 は 3日 の政府の会議で、経済の悪化により国が「歴史上 最も困難な時期の一つ」にあると警告しました。翌 4日、パクネジャド 石油相 が「個人的な理由」で辞任 しました。
【背景】米国 の海上封鎖で、石油の輸出は 3月 の1日 約200万バレル から、8月 は 22万〜25.5万バレル へ。年金の未払いへの抗議や、看護師・教師が SNS で離職を伝える動きも出ています。ホルムズ海峡 の通航は 9月27日 に1日 1隻 でした。
【見立て】外への強い言葉と、内側の台所は、別の顔をしています。うちの現場なら、交渉の前に相手の「台所事情」を1行 書く。
"台所のきしみ"の骨格(イラン の石油輸出・1日あたり)
🗣 まわりの反応
- アラグチ 外相(4日)=米国 との対立に「軍事的な解決はない」。イラン の案なら ホルムズ海峡 は7日 以内に開けられるとしつつ、「再び軍事に向かうなら、以前より備えはできている」と警告した(Al Jazeera / CBS News)
- ガリバフ 国会議長=6月 の暫定合意に基づく「7つの条件」が満たされるまで海峡は開かないと強調。国内では、米国 との合意に反対する強硬派の議員が拘束され、政府内の対立が深まっている(FDD / CBS News)
- 論点:国際商業会議所 は、海峡の混乱が「エネルギーショック」と世界の食料安全保障の危機を招くと警告。一方で イラク の国営会社は原油 200万バレル を海峡経由で運び、「数十年ぶり」の動きと伝えられた。締め付けが交渉を早めるのか、内部の対立がかえって譲歩を難しくするのかで見方が分かれる
L Lの見立て
この項目で目を留めたのは、強い言葉の裏で聞こえる「きしみ」 です。外に向けては「7つの条件が満たされるまで開けない」。内側では、安全保障のトップが「歴史上 最も困難な時期の一つ」と認め、翌日 石油相が辞めました。輸出は 3月 の 8分の1 ほど。外の顔と、台所の顔が違います。交渉の場では、相手の強い言葉ばかりが耳に残ります。でも、相手が本当に決める時に効いているのは、たいてい台所の事情 です。取引先の値上げの知らせも、裏には原料や人手の事情がある。そこが見えると、話せることが増えます。今日の20分:いま交渉している相手を1社 選び、「相手がいちばん困っていること」を推測で1行 書き、次に会った時に確かめる。台所を知ると、強い言葉に振り回されません。
Gulf News / Archyde / FDD / Al Jazeera / CBS News / straits.live
03
ドイツ首相 がいる間も、キーウ の橋が狙われた
【事実】ドイツ の メルツ首相 は 4日、列車で キーウ を予告なしに訪れ、軍事 10億ユーロ とエネルギー 3.5億ユーロ、合わせて 13億ユーロ の支援を表明しました。その滞在中、ロシア が キーウ の北橋 を攻撃 しました。
【背景】キーウ の橋への攻撃は、3日間 で5回目(FDD)。ロシア は外国人と外交官に キーウ からの退避を促し、「大規模な」攻撃を予告。ゼレンスキー大統領 は、米国 が 10月末 までの3者 の実務協議を提案していると明かしました。
【見立て】脅しと話し合いが、同じ週に並んでいます。うちの現場なら、強い言葉が来た時ほど「次に話す日」を確かめる。
"脅しと話し合い"の骨格(10月4日・キーウ)
13億ユーロ
ドイツ が表明した支援・軍事 10億ユーロ(長距離の攻撃、防空、無人機など)とエネルギー 3.5億ユーロ
5回目
3日間 で キーウ の橋が狙われた回数・北橋 は道路と温水の供給に被害
10月末
米国 が提案する ウクライナ・ロシア との3者 の実務協議の目安
🗣 まわりの反応
- メルツ首相=「ウクライナ には、これからの数週間、私たちのあらゆる支援が必要だ」「ロシア を止めなければ、その戦争の機械は遅かれ早かれ私たちに向かってくる」。訪問中の攻撃には「私たちは脅しに屈しない」と述べた(Al Jazeera / France 24)
- ゼレンスキー大統領=「米国 は ウクライナ と ロシア の双方と連絡を取り、10月末 までに3者 の実務レベルの会合を開こうと提案している」。ロシア の製油所への攻撃は強めるが「民間人は狙わない」とした(France 24 / FDD)
- 論点:ロシア は製油所攻撃の表明を受けて キーウ への攻撃を強めると宣言した。黒海 では穀物の輸送の混乱が3か月目 に入りかけ、インド が仲介に乗り出す動きもある。圧力の応酬が協議の席を近づけるのか、遠ざけるのかが問われている
L Lの見立て
今朝の 世界 の3本 は、聞いた答えと実際・外の顔と台所・脅しと話し合い でした。3本目 で持ち帰りたいのは、「強い言葉が飛ぶ時ほど、次に話す日を確かめる」 ということです。ロシア は外交官に退避を促し、大規模な攻撃を予告しました。同じ週、米国 は 10月末 までの3者協議を提案しています。脅しと話し合いは、たいてい同時に進みます。会社でも、取引先から強い言葉が届く日があります。「この条件でなければ、取引を見直す」。そう言われると、こちらも強く返したくなる。でも強い言葉の目的は、多くの場合、話し合いの席で有利になること です。だから言い返す前に、「次はいつ話せますか」と日付を取る。今日の20分:いま一番こじれている話を1つ 選び、相手と次に話す日が決まっているか確かめる。決まっていなければ、候補の日を2つ 送る。日付があると、言葉は落ち着きます。
Al Jazeera / France 24 / FDD / SCMP / WION / ABC News(豪)