01 / 今月の一番
ホルムズ海峡、船への攻撃が"最悪の月"に——原油は110ドル台、仲介国は「7日で開ける案」「5日で互いに譲る案」を詰める。米国 は「選挙までは攻撃しない」
【事実】世界の原油の大きな通り道、ホルムズ海峡。今月は、商船への攻撃が戦争が始まって以来、最も多い月になったと、米国 の研究機関 ワシントン近東政策研究所 の分析を Khaleej Times が伝えました。BBC Verify が英国 の監視機関 UKMTO の記録を調べると、10月5〜11日 の1週間で12隻が攻撃されています。イラン の革命防衛隊 は「海峡は閉じた」と言い、22日 には「一晩でタンカー7隻が被害」と主張。米軍は「海峡は開いている」と反論しました。同じ海で、違う数字が語られています。
【背景】火は湾の外にも広がりました。イエメン の フーシ派 が サウジアラビア の首都 リヤド の空港を攻撃し13人が死亡、サウジ側も イエメン の石油施設を攻撃しました。北海ブレント は月初に100ドルを超え、月の後半には116ドル台。米国 のディーゼルは1ガロン6.53ドルと、30年以上で最高になっています。外交も動いています。イラン は「イスラマバード の覚書に基づく7つの条件」を掲げ、月末には「7日で海峡を開ける案」を仲介役と詰めていると アラグチ外相 が話しました。New York Times によると、カタール の仲介役は「5日で互いに譲る案」をまとめようとしています。サウジアラビア・トルコ・パキスタン も テヘラン での協議に動きました。
【来月以降】トランプ大統領 は「11月3日 の中間選挙までは イラン を攻撃しない」と述べています。選挙のあと、話し合いが実を結ぶのか、攻撃が再開するのか。原油の値段、そして日本のガソリン代や電気代は、この海峡の行方に直結しています。
🗣 まわりの反応
- カタール 外務省=自国の LNG のタンカーも攻撃を受けた経緯があり、イラン を名指しで非難してきた(各社報道)
- サウジアラビア=テヘラン での協議を前に「話し合いの道を開くことが大事だ」と述べた(Khaleej Times)
- 論点:どちらが先に譲るかの"順番"が最大の壁。小さく交互に約束を果たす形にできるかが焦点だとの見方が多い
L Lの見立て
ホルムズ海峡は遠い海ですが、一番早く届くのは、私たちのガソリン代と電気代です。そして12月から、日本のガソリンの補助は少しずつ縮みます。遠い火と国内の支えの縮小が、同じ冬に重なるかもしれません。来月の10分:先月の燃料代と電気代を見て、「1割上がったら月いくら増えるか」を計算し、その分を何で吸収するかを1行書く。値段は選べなくても、備え方は選べます。
発信するなら:「ホルムズ海峡で船への攻撃が最悪の月に。遠い海の火は、一番早くガソリン代と電気代に届く。自分の燃料代に『1割上がったら月いくら』を書き、何で吸収するかを決めた」
★ SNSネタKhaleej Times / BBC Verify / AP / New York Times / Axios / The National / Rigzone
02
ウクライナ の「エネルギー停戦」は宣言のまま——ロシア は確認せず、パトリオット は底をつき、ウクライナ は製油所への攻撃を再開。月末は"1つの町だけ"の停戦
【事実】トランプ大統領 は11日、「ロシア と ウクライナ がエネルギー停戦に合意し、ただちに始まる。破るな!」と書き込みました。ところが ロシア は合意を確認せず、ペスコフ報道官 は「良い考えだ」と言うにとどまります。その後も攻撃は続き、14日朝には キーウ と ハルキウ で60万人超が停電しました。8日には東部 クラマトルスク のバス停が誘導爆弾に襲われ、少なくとも33人が亡くなっています。
【背景】守りも細っています。CNN は15日、ウクライナ が米国製の迎撃ミサイル パトリオット を使い切ったと報じました。弾道ミサイルをほとんど落とせない日が続いていたといいます。SpaceX が予告なく Starlink の使い方を制限したことも報じられました。ウクライナ は18日、ロシア 第2の都市 サンクトペテルブルク の製油所を攻撃し、エネルギーの停戦は事実上崩れました。トランプ大統領 は16日、新しい対ロシア 制裁の主な部分を止める大統領令に署名し、ゼレンスキー大統領 は「ロシア を助けるだけだ」と反発しています。月初には ドイツ の メルツ首相 がキーウ を訪れ、13億ユーロの支援を表明していました。
【来月以降】月末の27日、ロシア が占領する南部の町 オレシキ で、1つの町だけに限った停戦が始まりました。メラニア・トランプ夫人 が仲立ちしたとされます。トランプ大統領 は「プーチン・ゼレンスキー 会談をすぐ設ける」と言いますが、日時も場所も決まっていません。冬が近づく中、電気と暖房を守れるかが、来月の最大の焦点です。
🗣 まわりの反応
- ゼレンスキー大統領=停戦を支持し製油所への攻撃を控えた夜にも、ロシア が6か所のエネルギー施設を攻撃したと訴えた(Al Jazeera)
- トランプ大統領=「両方に違反があった」と述べつつ、停戦は保たれていると主張した(Al Jazeera)
- 論点:大きな停戦が宣言だけで終わる中、1つの町に絞った停戦のように"小さく確かめる"形が、次の足がかりになるかが注目されている
L Lの見立て
大きな約束ほど、守られなかった時の失望も大きくなります。今月の ウクライナ は、そのことを痛いほど教えてくれました。そして月末、話は「1つの町だけ」という小さな約束に絞られました。小さくても、守られれば次の約束の土台になります。人と人の関係も、会社どうしの取引も同じです。来月の10分:止まっている話し合いを1つ選び、「自分が先に果たせる小さな約束」を1つ書いて、相手に伝える。大きな合意より、小さな実行が道を開きます。
Al Jazeera / CNN(Ukrainska Pravda 経由)/ CNBC / Ahram Online / FDD / Euromaidan Press
03
選挙の月——ブラジル は ルラ大統領 が逆転で4期目、イスラエル はどちらも過半数の61に届かず。負けた側の「認めない」が、民主主義の次の試練に
【事実】ブラジル の大統領選は、4日の1回目で、調査で負けていた フラビオ・ボルソナロ 上院議員 が約47%で1位、現職の ルラ大統領 は約45%でした。25日 の決選投票では一転、ルラ大統領 が約51.8%を取り、約440万票差で4期目を決めました。フラビオ・ボルソナロ氏 は負けを認めず、「無効に」と訴えています。ルラ氏 は1回目のあと「1回目で勝てると信じていた」と認めていました。
【背景】イスラエル では27日、ハマス の奇襲から3年を経て初めての総選挙がありました。開票がほぼ終わった時点で、ネタニヤフ首相 の陣営は53議席、アイゼンコット氏 が率いる陣営は48議席。過半数の61にはどちらも届きませんでした。アラブ系の党が連立の"決め手"になるとの見方もあります。ネタニヤフ首相 の リクード は「選挙が盗まれた」と主張しましたが、警察は「裏付ける証拠はない」としています。正式な結果は11月4日に公表される予定です。
【来月以降】すぐ後には、11月3日 の米国の中間選挙が控えています。ホルムズ海峡の仲介も、ウクライナ の話し合いも、米国の選挙の日程を目安に動いてきました。3つの国の選挙が、来月の世界の向きを決めます。そして共通の問いは、負けた側が結果をどう受け止めるかです。
"イスラエル 総選挙の議席"(開票ほぼ終了時点・Times of Israel)
🗣 まわりの反応
- ネタニヤフ首相=開票の夜、党本部で「本当の結果をまだ待っている」と語った(Free Press Journal ほか)
- ブラジル の選挙裁判所=決選投票の結果を受けて ルラ氏 の当選を宣言した(Bernama・Anadolu)
- 論点:出口調査、開票の途中、ほぼ確定と、数字が変わるたびに景色が入れ替わった。速報より"数え終わった数字"を待つ大切さが改めて問われた
L Lの見立て
ブラジル では、1回目で負けた人が逆転しました。イスラエル では、開票が進むたびに先頭が入れ替わりました。途中の数字で決めつけない——これは選挙だけでなく、私たちの仕事の数字にも言えることです。月の半ばの売上で一喜一憂せず、締めた数字で判断する。そして、思い通りにいかなかった時こそ、誰かのせいにせず、次に自分が変えられる事を探す。来月の10分:今月うまくいかなかった事を1つ選び、「自分が次に変えられること」を1行書く。
発信するなら:「ブラジルでは1回目で負けた人が逆転し、イスラエルでは開票のたびに先頭が入れ替わった。途中の数字で決めつけない。うまくいかなかった事に『自分が次に変えられること』を1行書いてみた」
★ SNSネタTimes of Israel / Israel Hayom / i24NEWS / Bernama / Anadolu / WLRN / Euronews / Haaretz