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"金利という重力"が戻った神無月——米国は物価3.7%で10年債が2002年以来の高さ、FRB は据え置きでも2人が利上げを求めた。日経平均は7万円台から過去3番目の下げへ、日銀は1.25%で据え置き。ビットコイン は8万ドルの攻防が続いた

2026年10月31日(土) ・ 令和8年 神無月 ・ 第 115 号 ・ 月間まとめ号 ・ 今月の3潮

月末のごあいさつです。今月のお金をひとことで言うと、「重力が戻ってきた月」 です。米国では9月の物価が3.7%と予想より熱く、10年物の国債の利回りは一時5.365%と2002年以来の高さに。FRB は28日、金利を3.75〜4.00%で据え置きましたが、2人が利上げを求めて反対しました。東京は6日に約3か月ぶりの終値7万円台を付けたあと、15日に3,318円安と過去3番目の下げ。日銀は30日、1.25%で据え置きました。ビットコイン は月初の約8.3万ドルから、8万ドルを挟む足踏みが続いています。高い金利、揺れる株、伸びない暗号資産——3つの潮を、月末に並べます。

米国の消費者物価(9月)
+3.7%予想3.6%・ガソリン+9.1%(各社報道)
FRB の政策金利
3.75〜4.00%10月28日 据え置き・賛成10 反対2(FRB)
日経平均(10月15日)
−3,318円過去3番目の下げ幅・64,425円(共同通信)
ビットコイン(月末前後)
約8万ドル27日の終値は約8.08万ドル(StatMuse)
01 / 今月の一番

米国の物価は3.7%、10年債は2002年以来の高さ——FRB は据え置きでも2人が「上げよう」。市場は12月の利上げを約8割で見込む

【事実】月初、米国の9月の雇用は2万9,000人しか増えず、予想の3分の1程度でした。利上げの見方は一度しぼみ、株は最高値を更新します。ところが7日、10年物の国債の利回りが一時5.365%まで上がり、2002年4月以来の高さに。そして14日に出た9月の消費者物価は前の年より3.7%。ガソリンが9.1%上がり、全体の上げの約半分を占めました。翌日の卸の物価は6.3%と、2022年以来の大きな伸びでした。

【背景】28日、FRB は政策金利を3.75〜4.00%で据え置きました。採決は賛成10・反対2。クック理事 と クリーブランド連銀 の ハマック総裁が、0.25%の利上げを求めて反対しています。9月にはすでに一度上げており、ウォーシュ議長 は月半ばの講演で「会合の前に答えを決めない」と、次の一手への手がかりを出しませんでした。市場は、12月9日 の会合までに少なくとも1回上げる確率を約8割と見ています。物価を押し上げているのは、中東の海の道の混乱による原油高です。

【来月以降】11月3日 の中間選挙、そして中東の行方が、物価と金利の両方を動かします。原油が落ち着かなければ、「景気は冷えても、金利は下がらない」という一番つらい組み合わせが続くおそれがあります。お金を借りて動く会社ほど、来年の金利を一段高めに置いて計画を立てておきたい局面です。

"米国の10年物国債の利回り"(10月7日・各社報道)
5.365%
取引中の高値
2002年4月
以来の高さ

🗣 まわりの反応

  • Wolf Street=選挙前の据え置きは予想どおりだったが、反対が2人出たことは予想外だったと伝えた
  • UBS の分析=中東の争い、関税、AI の需要が、物価を押し上げる危険として重なっていると指摘した
  • 論点:悪い雇用の知らせで株が上がり、熱い物価で下がる。景気より"金利の向き"で値段が決まる相場になっているとの見方が多い

L Lの見立て

金利は、目に見えない重力のようなものです。高くなるほど、借りたお金で建てた計画はじわじわ重くなります。今月それがはっきりしたのは、AI の巨大な投資の会社の社債の利回りが上がったことでした。私たちの暮らしでも、変動の金利で借りている物や、カードの分割払いは、同じ重力を受けます。来月の10分:借りているお金を全部書き、「金利が1%上がったら、年にいくら増えるか」を横に書く。数字が見えれば、繰り上げて返す順番が決まります。

発信するなら:「米国の10年債の利回りが2002年以来の高さに。金利は見えない重力で、借りたお金の計画をじわじわ重くする。自分の借り入れに『金利が1%上がったら年いくら増えるか』を書いてみた」

★ SNSネタFederal Reserve / Wolf Street / Admiral Markets / Political.org / UBS / CNBC
02

日経平均、7万円台から過去3番目の下げへ——AI の熱と冷えに振り回された1か月。日銀は1.25%で据え置き、「物価は目標と整合的」

【事実】東京の株は、今月ジェットコースターのようでした。6日の日経平均は70,683円と、終値で約3か月ぶりの7万円台。アドバンテスト と 東京エレクトロン の2社で約700円を押し上げた日でした。ところが半導体への不安が広がると、15日は3,318円安の64,425円。下げ幅は2024年8月、1987年10月に次ぐ過去3番目でした。26日には62,189円と約3か月ぶりの安さまで下げ、月末にかけて Anthropic の上場の書類や SK hynix の好決算を受けて戻しています。9月末の66,753円から、29日時点で64,659円。月で見ると約3%の下げです。

【背景】国内の金利も上がりました。財務省は6日、10年物国債の利率を2.7%から3.1%へ引き上げ、約30年ぶりの高さです。日銀は30日の会合で政策金利を1.25%で据え置きました。賛成8・反対1で、高田委員 は1.5%への利上げを提案し、否決されています。日銀は、物価の基調が2%の目標と「おおむね整合的な水準」に達したとの見方を示しました。円は1ドル157円前後で、上にも下にも大きくは動いていません。

【来月以降】日銀の次の利上げは12月との見方が多く、来年4月をにらむ声もあります。日本の株は、半導体の数社が指数の上下を決める形が続いています。合計の数字だけでなく、何が動かしたのかを見る目が欠かせません。

"日経平均の10月"(共同通信・日経ほか)
10月6日(月の高値の日)
70,683円
→
10月26日(月の安値の日)
62,189円

🗣 まわりの反応

  • 日本経済新聞=日銀は物価2%への到達を表明しつつ金利は据え置き、利上げは続ける考えを示したと伝えた
  • Bloomberg=高市政権の1年目に主流だった「株を買って、国債を売る」取引が見直され始め、国債に「そろそろ買い」の声も出ていると報じた
  • 論点:15日の急落は、アドバンテスト など一部の半導体株が指数を大きく動かす偏りの裏返し。上げの日も下げの日も"1社頼み"だとの指摘がある

L Lの見立て

7万円から6.2万円まで、1か月で1割以上の幅を動いた相場でした。こういう月に一番もったいないのは、値動きを毎日見て、心と時間を削られることです。株を持つなら、下がった日に慌てない量だけ。そして、自分の売上も同じ目で見てほしいのです。一番大きいお客さまが売上の半分を超えていたら、それは日経平均の"半導体頼み"と同じ形です。来月の10分:今年の売上を、お客さま別に上から3つ並べ、割合を書く。偏りが見えたら、2社目・3社目を育てる順番を決めましょう。

日本経済新聞 / 共同通信(熊本日日新聞)/ マネックス証券 / Bloomberg / 日テレNEWS / 財務省
03

ビットコイン、8万ドルの攻防——"上がる10月"は来ず、ETF からお金が抜け、指数の会社は「ビットコインを抱える会社」を外せる決まりを確定

【事実】ビットコイン には、10月は上がりやすいという言い伝えがあります。今年はそうなりませんでした。月初の約8.3万ドルから、7日には原油高と国債の売りに挟まれて8.4万ドルを割り、14日の熱い物価のあとは8.2万ドル割れ。25日には8万ドルを割り込み、借金をして買っていた人の強制的な売りが約8.2億ドルに達しました。米国の現物の ETF からは、5〜9日の週に約6.8億ドル、別の日には1日で約6.4億ドルが流れ出ています。27日の終値は約8.08万ドルでした。

【背景】逆風は金利だけではありません。株価指数を作る MSCI は、本業が乏しく暗号資産を大量に抱える会社を指数に入れない決まりを確定し、日本の メタプラネット も対象になるおそれがあると報じられました。一方で、月初に Citi は1年後の目標を8.2万ドルから11.3万ドルへ引き上げています。データ会社 Coinglass の数字をもとにした報道では、今年の10月は2年続けてのマイナスになる見込みで、10年余りなかったことです。

【来月以降】カギは、米国の12月の利上げと、中東の原油です。金利が高いままなら、利息を生まない暗号資産からお金が抜けやすい状態が続きます。8万ドル前後を守れるか、7万8,500ドルの支えを割るかが、年末に向けた最初の分かれ道と見られています。

🗣 まわりの反応

  • Cointelegraph(CryptoQuant のデータ)=15日の時点で月初の値より約3.2%低く、例年なら同じ時期に平均6.7%上がっていたと比べた
  • Citi=月初に1年後の目標を11.3万ドルへ引き上げ、長い目で見た強気を崩していない
  • 論点:「10月は上がる」という言い伝えは、2年続けて外れそう。季節の言い伝えより、金利とお金の流れを見るべきだとの声が増えた

L Lの見立て

「この時期は上がるはず」という言い伝えは、心を楽にしてくれますが、今年のように外れることもあります。値動きのある物は、当てにいくより、持ち方を決めておくほうが長続きします。借金をして買った分から先に退場させられたのが、今月の8.2億ドルでした。来月の10分:値動きのある持ち物に「半分になっても暮らしと仕事は困らないか」の〇×を付け、×の物は量を見直す。実力の範囲で持つ——それが一番強い作戦です。

発信するなら:「『10月は上がる』と言われるビットコインが、今年は8万ドルを挟んで足踏み。借金で買った分から退場させられた。当てにいくより、持ち方を決める。自分の持ち物に『半分になっても困らないか』の〇×を付けてみた」

★ SNSネタCoinDesk / Cointelegraph / CryptoQuant / Stocktwits / Coinglass / Cryptotimes / StatMuse