金融・暗号資産部門 ・ Money & Crypto

物価の芯が、思っていたより冷えていた——9月30日 に出た 8月 の PCE は コアが 前年比 +3.0%(予想 +3.3%・7月 は +3.3%)、総合も +3.4%(予想 +3.7%)で、10月 の追加利上げを急ぐ理由が一つ減った /それでも 米10年債 は一時 5.29% 台=2007年6月 以来 の高さ、9月 の締めは ダウ が 443.87ドル 安の 50,906.05 で月間 −4.3%、S&P500 は 7,651.54 で −0.5%、ナスダック だけが 26,861.06 で +1.9% /日本側は 日経平均 が 1,272.45円 高の 66,753.72円 と3日ぶりの大幅反発、ドル円 は 157円台 で、片山さつき財務相 の「秩序ある為替市場の維持」発言が上値を抑えた

2026年10月1日(木) ・ 令和8年 神無月 ・ 第 085 号 ・ 今日の3潮

おはようございます。今朝の お金 は、「冷えた芯と、下がらない金利」 という、ちぐはぐな組み合わせで届きました。9月30日 に発表された 8月 の PCE——米連邦準備制度 がいちばん見ている物価の指標——は、エネルギーと食品を除いた コア が 前年比 +3.0%。予想の +3.3% を下回り、7月 の +3.3% からも下がりました。月ごとで見ても +0.2% で、予想の +0.3% より低い。総合も +3.4% で、予想の +3.7% を下回りました。つまり 10月 にもう一度 利上げを急ぐ理由が、一つ減った わけです。ところが 長期の金利は下がりませんでした。米10年債 は一時 5.29% 台——2007年6月 以来 の高さ。PCE の後にいったん下げたものの、9月 の シカゴPMI の改善と原油の反発で、また上がって います。株の 9月 の締めは分かれました。S&P500 は 7,651.54 で −0.25%、月間 −0.5%。ダウ は 443.87ドル 安の 50,906.05 で、月間 −4.3%。ナスダック だけが 26,861.06 で +0.24%、月間 +1.9%。第3四半期 では S&P500 +2%、ナスダック +2.5%、ダウ −2.7%。日本側は明るく、日経平均 は 1,272.45円 高の 66,753.72円 で3日ぶりの大幅反発。ドル円 は 一時 157.71円 まで上げ、156.64円 まで下げてから 157.38円 で引け、片山さつき財務相 の「秩序ある為替市場の維持に取り組む」という発言が、円安の勢いを抑えました。

米 8月 コアPCE(9月30日 発表)
+3.0%前年比・予想 +3.3% を下回り 7月 の +3.3% からも低下・月ごとでは +0.2%(予想 +0.3%)・総合は +3.4%(予想 +3.7%)
米10年債の利回り
5.29% 台一時・2007年6月 以来 の高さ・PCE の後にいったん低下したが シカゴPMI の改善と原油高で反発
日経平均(9月30日 大引け)
66,753.72円前日比 +1,272.45円・+1.94%・3日ぶりの大幅反発・9月30日 は 第2四半期 の締めでもあった
ドル円(9月30日 のニューヨーク 引け)
157.38円一時 157.71円 まで上昇後 156.64円 まで下落して反発・片山さつき財務相 の発言で日米の協調介入への警戒が強まった
01 / 今日の一番

物価の芯が、思っていたより冷えていた——9月30日 発表の 8月 の PCE は コアが 前年比 +3.0% で 予想の +3.3% を下回り 7月 の +3.3% からも低下、月ごとでも +0.2% と 予想の +0.3% より低く、総合も +3.4% で 予想 +3.7% を下回った、10月 の追加利上げを急ぐ理由が一つ減った一方で 米10年債 は一時 5.29% 台=2007年6月 以来 の高さに戻り、バー理事 の「追加の政策修正が要る」というタカ派の発言も出ていた

【事実】9月30日、8月 の PCE が発表されました。米連邦準備制度 がいちばん重く見ている物価の指標 です。エネルギーと食品を除いた コア は 前年比 +3.0%——予想の +3.3% を下回り、7月 の +3.3% からも下がりました。月ごとでは +0.2% で、これも予想の +0.3% より低い。総合は +3.4% で、予想の +3.7% を下回りました。8月 の物価は、思われていたより冷えていた ということです。

【背景】これは 10月 の会合で、もう一度 利上げをする理由が一つ減った という意味になります。9月16日 に 3年超ぶりの利上げ(3.75〜4.00%)が決まり、18人 のうち 16人 が年内にもう1回 を見込んでいた ところへ、「物価は思ったほど熱くない」という数字が届いた 形です。ところが 長期の金利は素直に下がりませんでした。米10年債 は一時 5.29% 台——2007年6月 以来 の高さ。PCE の直後は下げたものの、9月 の シカゴPMI が改善し、原油も戻ったところで、また上がって います。しかも前日までに、バー理事 が「追加の政策修正が必要だ」というタカ派の姿勢を示していました。短い金利は緩む理由が増え、長い金利は上がる理由が残る。この二つの向きのちがいが、いまの相場の骨格 です。

【見立て】大事なのは「利上げがあるか」ではなく、短い金利と長い金利がちぐはぐなままだ ということです。借入は長い金利で決まります。うちの現場なら、「利下げを待つ」前提の計画を一度 外して数字を見直す。

"冷えた芯と、下がらない金利"の骨格(9月30日)
+3.0% / +3.3%
8月 のコアPCE の実績と予想・7月 の +3.3% からも低下・月ごとは +0.2%(予想 +0.3%)
+3.4% / +3.7%
総合PCE の実績と予想・エネルギーと食品を含めた全体でも予想を下回った
5.29% 台
米10年債の利回り・一時・2007年6月 以来 の高さ・物価が冷えても長い金利は戻った

🗣 まわりの反応

  • CNBC(9月30日)=「米連邦準備制度 が好んで見る指標は、8月 のコアのインフレを 3.0% と示した。予想よりはるかに軽い」。市場では 10月 の追加利上げを急ぐ必要が薄れたという読みが広がった
  • Yahoo Finance の整理=「PCE のインフレが 3.4% に鈍化し、もう一度の利上げの理由を冷やした」。数字が予想を下回ったことで、短期の金利の見通しが動いたという解説
  • 論点:物価が冷えたのに 米10年債 が 5.29% 台=2007年6月 以来 の高さに戻った理由をどう読むか(財政と国債の需給と見る立場と、景気の底堅さと見る立場に分かれる)/バー理事 の「追加の政策修正が必要」というタカ派の発言と、実際の物価の数字のずれ

L Lの見立て

この数字を見て、私がまず思ったのは 「では、下がるまで待とう」と言う人が増えるだろうな ということでした。物価が冷えたなら、金利もそのうち下がる。だから設備も借り換えも、もう少し待とう——。気持ちはよく分かります。ただ、今朝の数字はそう単純ではありませんでした。短い金利は緩む理由が増えたのに、長い金利は 2007年 以来 の高さに戻っている。そして 私たちが借りるお金は、たいてい長いほうの金利で決まります。つまり「中央銀行が上げるのをやめたら、うちの返済も軽くなる」とは限らない。ここを混ぜてしまうと、待った時間だけが損になります。私が経営で痛い目に遭ったのは、いつも 「そのうち良くなる」を前提に作った計画 でした。為替が戻ったら。原油が下がったら。人が採れたら。どれも本当にそうなる時があります。でも、いつ そうなるかは誰にも分からない。だから私は、計画を2本 持つようにしています。1本は「いまのまま続いたら」、もう1本は「良くなったら」。先に作るのは必ず前者です。いまのままでも回る形を作ってから、良くなった時の上乗せを考える。順番を逆にすると、良くならなかった時に打つ手がありません。今日の 10分:いま進めている計画を1つ 選び、「金利も為替も、いまのまま1年 続いたら」の数字を出してみる。それでも回るなら、その計画は本物です。

発信するなら:「アメリカの物価の芯が、思ったより冷えていた。8月のコアPCEは+3.0%。予想の+3.3%を下回った。じゃあ金利も下がるね、と思ったら——長期金利は2007年以来の高さに戻っていた。短い金利は緩みそう、長い金利は高いまま。そして僕らが借りるお金は、たいてい長いほうで決まる。だから『下がるまで待とう』は、けっこう危ない。僕が痛い目に遭った計画は、いつも『そのうち良くなる』が前提だった。為替が戻ったら。人が採れたら。だから計画は2本持つことにした。まず『いまのまま続いたら』。それでも回るなら、本物」

★ SNSネタCNBC / Yahoo Finance / TheStreet / 外為どっとコム / 財経新聞
02

同じ9月で、ダウ は −4.3%、ナスダック は +1.9% だった——9月30日 の締めは S&P500 が 7,651.54(−0.25%)で月間 −0.5%、ダウ は 443.87ドル 安の 50,906.05 で月間 −4.3%、ナスダック だけが 26,861.06(+0.24%)で月間 +1.9%、第3四半期 で見ると S&P500 +2%・ナスダック +2.5%・ダウ −2.7%、物価が予想より軽かった日に ナスダック が上げて ダウ が下げるという分かれ方をした

【事実】9月30日 は、9月 と 第3四半期 の締めの日でした。S&P500 は 7,651.54 で −0.25%、9月 の月間では −0.5%。ダウ は 443.87ドル 安の 50,906.05 で −0.86%、月間では −4.3%。ナスダック だけが 26,861.06 で +0.24%、月間 +1.9% と上げました。第3四半期 で見ると、S&P500 は +2%、ナスダック は +2.5%、ダウ は −2.7%。物価が予想より軽かった日に、ナスダック が上げて ダウ が下げた のが、この日の形です。

【背景】同じ月、同じ国、同じ経済の話なのに、月間で 6.2ポイント も差が開きました(ダウ −4.3% と ナスダック +1.9%)。ダウ は古くからの大企業が中心、ナスダック は技術の会社が中心 です。金利が高いままだと、借りて設備を回す会社ほど重く、手元に現金があって成長の話で買われる会社ほど軽い。ここに AI への期待 が乗っているので、差はさらに開きます。つまり 「株が上がった・下がった」という言い方が、今月はほとんど意味を持たなかった ということです。どの指数を見ていたかで、9月 の記憶がまるごと変わる。第3四半期 で見ればどれも小さな動きに見えるのに、月で見ると ダウ だけが大きく沈んでいる。同じ期間を、どの物差しで測るかの問題 です。

【見立て】見るべきは指数ではなく、中の分かれ方 です。平均は動いていなくても、業種の中では大きく動いています。うちの現場なら、「全体の売上」ではなく「中の並び」で今月を振り返る。

"同じ9月の、三つの顔"の骨格(9月30日 の締め)
−4.3%
ダウ の 9月 の月間騰落・30日 は 443.87ドル 安の 50,906.05・第3四半期 では −2.7%
+1.9%
ナスダック の 9月 の月間騰落・30日 は 26,861.06 で +0.24%・第3四半期 では +2.5%
−0.5%
S&P500 の 9月 の月間騰落・30日 終値 7,651.54 で −0.25%・第3四半期 では +2%

🗣 まわりの反応

  • TheStreet(9月30日)=「PCE のインフレが予想を下回り、ナスダック が上げて 第3四半期 を終えた」。物価の数字を好感した買いが技術の会社に集まったという整理
  • Yahoo Finance(9月30日)=「ダウ と S&P500 は 9月 の月間で下落、長期金利の上昇が重し」。同じ日の同じ市場を、指数によって逆の見出しで伝える形になった
  • 論点:ダウ −4.3% と ナスダック +1.9% の 6.2ポイント の差をどう読むか(金利の重さが業種で違うという見方と、AI への期待が偏っているだけという見方)/第3四半期 で見れば どれも小さな動きで、月で切るか四半期で切るかで印象が反転する

L Lの見立て

今朝の数字でいちばん面白かったのは、「同じ9月なのに、ダウ は −4.3%、ナスダック は +1.9%」 という並びでした。同じ国、同じ月、同じ金利の話です。それでも 6.2ポイント も景色がちがう。どの指数を見ていたかで、その人の「9月の記憶」がまるごと変わります。これは私たちの会社の中でも、まったく同じことが起きています。「今月はどうだった?」と聞いた時、答えが人によってまるでちがう。営業は「悪くなかった」と言い、製造は「きつかった」と言い、経理は「入金が遅い」と言う。全員 正直に答えていて、全員 正しい。見ている場所がちがうだけです。ところが会議では、たいてい いちばん声の大きい人の指数 が、その月の評価になります。私はこれで何度も判断を誤りました。だから最近は、月の振り返りを「合計」で始めないようにしています。得意先ごと、商品ごと、担当ごと。3列 並べて、先月と比べて 2割 以上 動いた行だけに印を付ける。たったそれだけで、合計が隠していたものが出てきます。しかも面白いことに、その印は合計より半年 早く先を語ります。伸びている行は来年の柱で、落ちている行は来年の穴です。合計を見ていると、その両方が打ち消し合って見えません。今日の 10分:先月の売上を得意先ごとに並べ、2割 以上 動いた行に印を付ける。合計が平らな月ほど、中は動いています。

TheStreet / Yahoo Finance / CNBC / Bloomberg
03

日本側は明るかったが、上を抑えたのは大臣の一言だった——9月30日 の 日経平均 は 1,272.45円 高の 66,753.72円 で3日ぶりの大幅反発、ドル円 は 一時 157.71円 まで上げたあと 156.64円 まで下げて 157.38円 で引け、片山さつき財務相 の「秩序ある為替市場の維持に取り組む」という発言で日米の協調介入への警戒が強まり上値が重くなった、Brent は 97.09ドル(前日比 +0.97%・1か月 で +7.30%・1年前 比 +48.57%)、ビットコイン は 83,705ドル 前後で 暗号資産全体の時価総額 は 2.87兆ドル(−3.31%)、そして 今日 8時50分 には 日銀短観 の9月調査が発表される

【事実】9月30日 の 日経平均 は、1,272.45円 高の 66,753.72円 で引けました——+1.94%、3日ぶりの大幅反発 です。為替は上下しました。ドル円 は一時 157.71円 まで上げ、そこから 156.64円 まで下げて、最後は 157.38円。Brent は 97.09ドル で前日比 +0.97%、1か月 では +7.30%、1年前 と比べると +48.57%。ビットコイン は 83,705ドル 前後 で、暗号資産全体の時価総額は 2.87兆ドル(−3.31%)、ビットコイン の占める割合は 58.3% でした。

【背景】円の上値を抑えたのは、数字ではなく 言葉 でした。片山さつき財務相 が「秩序ある為替市場の維持に取り組む」と述べたことで、日米の協調介入への警戒が強まり、円安の勢いが止まりました。一度も介入していないのに、介入の可能性だけで相場が動いた わけです。金利の側も理由は揃っています。日本の 長期金利 は 9月1日 に 3% を突破して 1996年 以来 約30年ぶり の水準に入り、10月 の会合で日銀が続けて利上げに踏み切る確率は3割 近くまで高まっている と伝えられています。「12月 までに追加の利上げ」の確率は再び9割 を超えました。そして 今日 10月1日 の 8時50分 には、日銀短観 の9月調査が発表されます。民間の予想は 大企業製造業 の業況判断が +25〜+26(6月調査 は +22)で、AI と半導体の需要が景気の見方を押し上げるとみられています。

【見立て】今日の注目は株価ではなく、8時50分 の 短観 に出る「企業の物価の見通し」 です。ここが上振れれば、10月 の利上げの目が強まります。うちの現場なら、値決めの話を「為替が落ち着いたら」で先送りしない。

"言葉で止まった円安"の骨格(9月30日)
+1,272.45円
日経平均 の前日比・終値 66,753.72円・+1.94%・3日ぶりの大幅反発
157.71 → 156.64 → 157.38
ドル円 の 9月30日 の高値・安値・引け値・大臣の発言で協調介入への警戒が強まった
97.09ドル
Brent(9月30日)・前日比 +0.97%・1か月 で +7.30%・1年前 比 +48.57%

🗣 まわりの反応

  • 片山さつき 財務相=「秩序ある為替市場の維持に取り組む」。この発言を受けて日米の協調介入への警戒が強く意識され、ドル円 の上値が抑えられたと 外為どっとコム は整理している
  • 市場の見立て(日本経済新聞・野村證券)=日銀が 10月 に続けて利上げに踏み切る確率は3割 近くへ高まり、「12月 までに追加の利上げ」の確率は再び9割 超。野村證券 は次の利上げを 10月 を主たる見通し(確率 60%)としている
  • 論点:介入していないのに介入の警戒だけで相場が止まった=言葉がどこまで効き続けるか/日経平均 の大幅反発と、ダウ の月間 −4.3% をどう並べて読むか/今日 8時50分 の 日銀短観 で、企業の物価の見通しが上振れれば 10月 の利上げの目が強まる

L Lの見立て

今朝の お金 の3本 は、冷えた芯・分かれた指数・言葉で止まった円安 でした。01 で物価が思ったより軽く、02 で同じ月なのに景色が三つに割れ、03 で 大臣の一言が相場を止めた。私が経営者の仲間に持ち帰ってほしいのは、この3本 目です。実際には、一度も介入していません。それでも 「やるかもしれない」という言葉だけで、円安の勢いが止まりました。私はこれを読んで、商売の現場での 「言っておく」ことの重さ を思い出しました。値上げの話でも、納期の話でも、私たちはつい 実際に困ってから 伝えます。困る前に言うと、相手を不安にさせる気がするからです。ところが実際は逆で、先に言われた話は相手も備えられるので、印象はむしろ良くなります。「来春、仕入れの値上がり分をお願いすることになるかもしれません」——この一言を半年 前に言えるかどうかで、その交渉の難しさは何倍も変わります。言葉は、使う時ではなく、置いておく時にいちばん効きます。もう一つ。大臣の言葉が効いたのは、本当にやる力があると誰もが知っているから です。力の裏付けのない言葉は、二度目から効かなくなります。だから私たちも、言った通りにやる回数 を積むしかありません。「来週までに」と言って来週までに出す。「検討します」で終わらせない。信用は、できることを言って、言った通りにやった回数の合計 です。今日の 10分:半年 以内に相手にお願いすることになりそうな話を1つ 選び、今日 のうちに「そうなるかもしれません」と一言 伝える。先に置いた言葉は、あとで自分を助けます。

investing.com(Fisco) / 外為どっとコム / 財経新聞 / Trading Economics / Fortune / cryptonews / 日本経済新聞 / 野村證券 / OANDA