金融・暗号資産部門 ・ 今週の3潮 ・ Weekly Brief
今週の お金——借りる値段が、世界同時に上がった:米10年債 は 24日 に 5.192% で 2007年 以来、25日 には 一時 5.22% 台=約19年ぶり、米30年債 は 5.476% で 2004年 以来、日本の新発10年物国債 も 25日 に 一時 3.115% で 1996年8月 以来 約30年ぶり /それでも株は上がり、ダウ は 25日 に 51,828.62(+478.64・+0.93%)で 3週続落 を止め、S&P500 7,743.41、ナスダック 27,068.72、21日 には ナスダック が +2.3% で最高値引け・AMD が時価総額 1兆ドル /ビットコイン は 21日 に 8万7,397ドル で 8カ月ぶり高値(現物ETF に 1日 9億9900万ドル=2026年 最大)、週末は 8万3,762ドル へ、原油は ホルムズ 再開の観測で ブレント が 106ドル 近辺から 98ドル 割れ
2026年9月26日(土) ・ 令和8年 長月 ・ 第 080 号 ・ 今週の3潮
今週の お金 は、「借りる値段が、世界で同時に上がった」1週間でした。主役は債券です。米10年債 の利回りは 24日(木)に 5.192%=2007年 以来、25日(金)には 一時 5.22% 台=約19年ぶり の高さをつけました。米30年債 は 5.476% で 2004年 以来。同じ波は日本にも来ています。25日 の 新発10年物国債 の利回りは 一時 3.115%=1996年8月 以来 約30年ぶり(前日の引けは 3.075%)。土台には 9月16日 の 米連邦公開市場委員会 の利上げがあります——12対0 で 0.25% 引き上げ、3.75〜4.00% へ。3年 ぶりの利上げで、年内もう一度 を示唆しました。9月 の 米総合PMI速報 は 58.4 と 2021年7月 以来の高さで、景気の強さがそのまま金利を押し上げています。それでも 株は上がりました。25日 の ダウ は 51,828.62(+478.64・+0.93%)で 3週続落 を止め、S&P500 7,743.41(+0.51%)、ナスダック 27,068.72(+0.48%)。21日(月)には ナスダック が +2.3% で最高値引け、AMD が時価総額 1兆ドル に届いています。コインも往復しました。ビットコイン は 21日 に 8万7,397ドル まで上げて 8カ月ぶり高値、週末は 8万3,762ドル。仕入れの列は 原油が反落——ブレント は 106ドル 近辺から 98ドル 割れ、WTI は 92.44ドル、金 は 4,320.50ドル、ドル円 は 158円台半ば です。上がった金利、上がった株、往復したコイン——今週は、値札の向きがそろわない週でした。
米10年債(今週の高さ)
一時 5.22% 台2007年6月 以来 約19年ぶり・24日 は 5.192%・30年債 5.476% は 2004年 以来・25日 の引けは 5.17〜5.18%
ダウ(25日 終値)
51,828.62+478.64(+0.93%)・3週続落 を止めた・S&P500 7,743.41(+0.51%)・ナスダック 27,068.72(+0.48%)
ビットコイン(21日 の高値)
8万7,397ドル1月 以来 8カ月ぶり・現物ETF に 1日 9億9900万ドル=2026年 最大・週末は 8万3,762ドル(−0.66%)
日本の長期金利(25日)
一時 3.115%1996年8月 以来 約30年ぶり・前日の引けは 3.075%・原油高によるインフレ懸念と 米金利 上昇の波及
01 / 今週の一番
借りる値段が、日米そろって「十数年〜30年 ぶり」の高さへ——米10年債 は 24日 に 5.192% で 2007年 以来、25日 は 一時 5.22% 台=約19年ぶり、米30年債 5.476% は 2004年 以来、日本の新発10年物国債 も 25日 に 一時 3.115% で 1996年8月 以来 約30年ぶり を連日更新、土台は 9月16日 の 12対0 の利上げ(0.25%・3.75〜4.00%=3年ぶり)と年内もう一度 の示唆、9月 の 米総合PMI速報 58.4 は 2021年7月 以来の高さ
【事実・今週の動き】今週いちばん動いたのは株ではなく債券でした。米10年債 の利回りは 24日(木)に 5.192%=2007年 以来、25日(金)には 一時 5.22% 台=約19年ぶり の高さをつけました。米30年債 は 5.476% で 2004年 以来。そして波は日本にも届いています。25日 の 新発10年物国債 の利回りは 一時 3.115%——1996年8月 以来 約30年ぶり の高さを、連日 更新しました(前日の引けは 3.075%)。金曜 の米10年債は 5.17〜5.18% で週を終えています。
【背景・データ】土台は 9月16日 の 米連邦公開市場委員会 です。12対0 の全会一致で 0.25% 引き上げ、政策金利は 3.75〜4.00%。3年 ぶりの利上げで、年内もう一度 を示唆しました。狙いは、原油高などで押し上げられた 年 3.4% の物価上昇 を抑えることです。今週は 9月 の 米総合PMI速報 が 58.4=2021年7月 以来の高さ と出て、景気の強さがそのまま金利を押し上げました。ニューヨーク連銀 の ウィリアムズ総裁 は「年内もう一度の利上げは、考え方として理にかなう」と述べ、市場が織り込む 10月 利上げの確率は 7〜8割 に乗っています。
【見立て】「金利が高い世界」が、日本にも上陸した週です。米国の 19年ぶり は前から言われていましたが、日本の 30年ぶり は、現役世代のほぼ全員が経験していない領域。うちの現場なら、借入の 「固定か変動か」「いつ借り換えるか」を、今のうちに一度 声に出して確かめておく。慌てて動く話ではなく、知らないまま来年を迎えない、という話です。
"世界同時に上がった借入の値段"の骨格
一時 5.22% 台
米10年債・2007年6月 以来 約19年ぶり・24日 は 5.192%・30年債 5.476% は 2004年 以来
一時 3.115%
日本の新発10年物国債・1996年8月 以来 約30年ぶり・前日の引けは 3.075%
3.75〜4.00%
9月16日 の利上げ後の米政策金利・12対0 の全会一致・3年 ぶりの引き上げ・年内もう一度 を示唆
🗣 まわりの反応
- ニューヨーク連銀 ウィリアムズ総裁「年内にもう一度の利上げというのは、考え方として理にかなう」=市場が織り込む 10月 利上げの確率は 7〜8割 に
- Fortune の特集「5% の利回りに、慌てるべきか慌てなくていいのか」=同じ数字を見て強気と弱気が並んで載る状態そのものが、いまの相場の性格という整理
- 論点:米国の 19年ぶり より、日本の 約30年ぶり のほうが生活に近い=住宅ローンや事業性の借入の前提が変わる/上がった理由が「景気が強い」なら耐えられるが「物価が下がらない」なら長引く/日米ともに、上げ止まりの目印がまだ見えていない
L Lの見立て
私がこの1週間でいちばん長く見ていたのは、米国の 5.22% ではなく 日本の 3.115% でした。1996年8月 以来。30年 前です。いま働いている人のほとんどが、「日本でお金を借りるのに、それなりの値段がかかる世界」を経験していません。私たちは長いあいだ、金利をほとんど数えずに商売をしてきました。設備を入れる時、機械の値段と補助金は調べる。でも 「この借入で、返済総額が去年よりいくら増えるのか」を出す会社は、驚くほど少ない。理由は単純で、これまで数えても大差がなかったからです。今週、その前提が変わりました。しかも金利は、売上のように毎日 目に入りません。気づくのは、返済の一覧を見た日だけです。だからこそ、慌てて借り換える話ではないと申し上げたい。やることは、知ることです。今週の 10分:手元の借入を全部 並べて、「固定」「変動」の別と、次に見直しが来る月を書き出す。それだけでいい。金利が動く世界でいちばん危ないのは、高い金利ではなく、自分の条件を知らないことです。
発信するなら:「今週、日本の長期金利が 3.115% をつけた。1996年8月 以来、約30年ぶり。米国の 19年ぶり より、こちらのほうが暮らしに近い。いま働いている人のほとんどが『日本でお金を借りるのに値段がかかる世界』を知らない。設備を入れる時、機械の値段と補助金は調べるのに、返済総額が去年よりいくら増えるかを出す会社は少ない。慌てて借り換える必要はない。今週やることは、借入を全部 並べて『固定か変動か』と『次の見直しの月』を書き出すこと。それだけ」
★ SNSネタCNBC / Yahoo Finance / Fortune / Charles Schwab / Fox Business / 日本経済新聞 / Trading Economics
02
金利が上がったのに、株も上がった——25日 の ダウ は 51,828.62(+478.64・+0.93%)で 3週続落 を止め、S&P500 7,743.41(+0.51%)、ナスダック 27,068.72(+0.48%)、週の初めの 21日 には ナスダック が +2.3% で最高値引け(S&P500 +1.5%・ダウ +0.7%)、AMD が時価総額 1兆ドル に到達、週の半ばは金利急騰で 24日 に ダウ 51,349.98(−161.61)まで押され、金曜 は 原油 の反落が債券を助けて戻す、一方 Oracle は データセンター計画で不可抗力を通知
【事実・今週の動き】金利が十数年ぶりの高さに上がった週に、株は 3つ の主要指数がそろって週間プラスで終わりました。25日(金)の ダウ は 51,828.62(+478.64・+0.93%)で、3週続いた下げを止めました。S&P500 は 7,743.41(+0.51%)、ナスダック は 27,068.72(+0.48%)。週の入りも強く、21日(月)は ナスダック が +2.3% で最高値引け、S&P500 +1.5%、ダウ +0.7%。同じ日に AMD が時価総額 1兆ドル に届いています。
【背景・データ】道中は平らではありません。週の半ばは金利の急騰に押され、24日(木)の ダウ は 51,349.98(−161.61) まで下げています。金曜 に流れを変えたのは原油でした——ホルムズ海峡 の再開に向けた段階的合意の観測で原油が 2% 超 下げ、それが債券を助け、株に戻りが出た 形です。押し上げ役は今週も AI・半導体 でした。一方で影もあり、Oracle は データセンター計画で不可抗力の通知 を出しています。強い指数の中身が、ごく一部の銘柄に寄っている という指摘は週を通して続きました。
【見立て】金利高は「悪い知らせ」ではなく「景気が強い」の裏返しでもある——今週の株は、そちらを見ました。ただし中身は偏っています。うちの現場なら、指数の話を持ち帰らず、自分の業界の受注の話に置き換える。「株高」と「うちの仕事が増える」は、今週に限っては別のものです。
"上がった金利と、上がった株"の骨格
+478.64ドル
25日 の ダウ・51,828.62(+0.93%)・3週続落 を止めた
+2.3%
21日 の ナスダック・最高値引け・同じ日に S&P500 +1.5%、ダウ +0.7%、AMD が 1兆ドル
−161.61ドル
24日 の ダウ・51,349.98・金利の急騰に押された週半ばの谷
🗣 まわりの反応
- Yahoo Finance(25日)「金融危機以来の高さに上がった利回り、ホルムズ海峡 再開の可能性で和らいだ原油、そして政策の成果がほとんどなかった首脳会談」=週の値動きを動かした3つとして整理
- Charles Schwab の週次「猛烈な利回りの上昇が、米中首脳会談 を覆い隠した」=今週の投資家が見ていたのは政治ではなく金利だった、という見立て
- 論点:金利が上がっても株が買われたのは、上昇の理由が「景気の強さ」と読まれたから/一方で上げを主導したのは AI・半導体 のごく一部で、全体が底上げされたわけではない/Oracle の不可抗力通知のように、投資計画の足元でつまずく例も同じ週に出ている
L Lの見立て
今週の相場でいちばん誤解されやすいのは、この 2行 が同じ週に並んだことだと思います。「借りる値段が十数年ぶりの高さ」「株は3週ぶりに上げた」。普通に考えれば矛盾です。でも投資家は、金利が上がった理由を「景気が強いから」と読みました。だから株を買った。ここに、中小の経営者にとって使える見方があります。同じ出来事でも、理由の読み方で正反対の行動が出る。中小の経営で同じ場面は、取引先から「今期は厳しい」と言われた日 です。この一言を「うちとの取引を減らす前ぶれ」と読むか、「値上げの相談をしてくるかもしれない」と読むかで、こちらの準備がまるで変わります。多くの場合、私たちは読み方を決めないまま不安だけ抱えて帰ってきます。そしてもう一つ。今週の株高を作ったのは、ごく一部の銘柄でした。ニュースが「株高」と言った日に、自分の会社の受注が増えているわけではない。今週の 10分:「今期は厳しい」「まだ分からない」といった曖昧な返事を最近もらった相手を 1社 選び、こちらの読み方を 1行 書いて、来週 確かめる質問を 1つ 決める。相場は理由を読んで動きます。私たちも、読んでから動けます。
Yahoo Finance / CNBC / TheStreet / Charles Schwab / Vanderbilt Report / Trading Economics
03
ビットコイン は 8カ月ぶりの高さまで行って戻り、原油は逆流した——21日 に 8万1,160ドル で始まり 8万7,397ドル まで上昇して 8万6,595ドル で引け(1月 以来)、現物ETF への 1日 の純流入は 9億9900万ドル で 2026年 最大、約7億5000万ドル の売り建てが焼かれた、前週の安値 7万4,912ドル からは 約1万2,500ドル の戻り、週末は 8万3,762.20ドル(−0.66%)、原油は ホルムズ 再開の観測で ブレント が 106ドル 近辺から 98ドル 割れ・WTI は 92.44ドル(−2.29%)、金 4,320.50ドル(+0.52%)、ドル円 は 158円台半ば
【事実・今週の動き】ビットコイン は 21日(月)に 8万1,160ドル で始まり、8万7,397ドル まで上げて 8万6,595ドル で引けました——1月 以来、8カ月ぶり の高さです。押し上げたのは 2つ。現物ETF への 1日 の純流入が 9億9900万ドル=2026年 で最大、そして 約7億5000万ドル 分の「下がる方に賭けた建玉」が焼かれた こと。前週の安値 7万4,912ドル からは 約1万2,500ドル の戻り でした。ただし高値は続かず、週末は 8万3,762.20ドル(−0.66%) です。
【背景・データ】仕入れの列は逆に動きました。原油は週の半ばに 2日間 で 7% 超 上げた後、金曜 に反落——ブレント は 106ドル 近辺から 98ドル 割れ、WTI は 92.44ドル(−2.29%)。理由は 米国 と イラン が ホルムズ海峡 の再開をめぐる段階的合意を探っている という報道です。金 は 4,320.50ドル(+0.52%) と高値圏を保ち、ドル円 は 158円台半ば(25日 午前の東京で 158円65〜67銭)。米10年債 が 5.22% 台まで上がり、日米の金利差の拡大がドル買い・円売りを後押し しました。
【見立て】上がる理由も下がる理由も、今週はコインの外側にありました。金利・ETFへの資金・海峡の交渉。うちの現場なら、「自分では動かせない外の風」と「自分で動かせる手元」を、同じ表に並べない。並べると、外の風に手を出したくなります。
"往復したコインと、逆流した原油"の骨格
8万7,397ドル
21日 のビットコインの高値・1月 以来 8カ月ぶり・引けは 8万6,595ドル・週末は 8万3,762ドル
9億9900万ドル
現物ETF への 1日 の純流入・2026年 で最大・約7億5000万ドル の売り建てが焼かれた
98ドル 割れ
ブレント・週半ばの 106ドル 近辺から反落・WTI は 92.44ドル(−2.29%)・ホルムズ 再開の観測
🗣 まわりの反応
- Farside Investors の集計「現物ETF の 1日 の純流入 9億9900万ドル は、2026年 で最大の設定日」=値動きの主役が個人の売買から資金の出入りへ移っていることを示す数字
- 24/7 Wall St.「7万5,000ドル を割っていたビットコインが、6日 で 8万7,000ドル を超えた」=下がる方に賭けていた建玉が一斉に解消された「焼き切れ」が上げ幅を膨らませたという分析
- 論点:上げも下げも理由がコインの外(金利・ETF への資金・海峡の交渉)にある/8カ月ぶり高値と言っても年初来ではまだ戻りの途中/原油の反落は消費者には追い風だが、合意が崩れれば一晩で戻る種類の追い風
L Lの見立て
今週の お金 の 3本 は、上がった金利・上がった株・往復したコインと原油 でした。01 で借りる値段が日米そろって十数年〜30年ぶりの高さになり、02 でそれでも株は上げ、03 は 上げも下げも理由が外側にあった。私が経営者の仲間に持ち帰ってほしいのは、この 3本 目です。ビットコインが 6日 で 1万2,000ドル 動いた理由は、コインの中にはありませんでした。金利、資金の出入り、遠い海峡の交渉。原油が 2日で 7% 上げて金曜に落ちたのも同じです。外の風は、強くて、速くて、こちらの都合を聞きません。中小の経営でいちばん体力を削るのは、この外の風に手を出してしまうことです。円安だから慌てて仕入れる、原油が下がったから値下げしてしまう、株が上がったから気が大きくなる。外の風は「備える」ものであって、「勝ちに行く」ものではない。そして手元には、こちらの意思で動く物がちゃんとあります。値決め、支払いの条件、断る仕事、渡す仕事。今週の 10分:紙一枚 ぶんの表を 2列 に割り、左に「自分では動かせないこと」、右に「来週 自分で決められること」を 3つ ずつ書く。右の 3つ だけ、月曜に手をつける。外の風は数え、手元は動かす。この分け方ができる会社は、荒れた年ほど強くなります。
Fortune / CoinDesk / 24/7 Wall St. / Farside Investors / Reuters / Yahoo Finance / 外為どっとコム / 日本経済新聞