国内情勢部門 ・ 今週の3潮 ・ Weekly Brief

今週の 日本——記録が3つ、同じ週に並んだ:台風25号 で 千葉・神奈川 の死者は 25日 時点で 12人・行方不明 4人、印旛沼 の水位は 1968年 の管理開始以来 最高 となり堤防が 2カ所 で 幅 約100m ずつ決壊、千葉県内 の住宅被害は 600棟 超、大島町 は 24時間 686.5mm で 9月 の観測史上1位 /高市首相 は 22日 夜(現地)に 第81回 国連総会 で一般討論演説、「旧敵国条項は早急に削除されるべき」、臨時国会は 10月5日 召集の方針で法案 21本・焦点は 飲食料品 の消費税減税 と 衆院議員定数削減 /25日 の 日経平均 は 5日続伸 の 66,364.20円(+850.21)で週間 +1,345円、しかし同じ日に 新発10年物国債 の利回りが 一時 3.115%=1996年8月 以来 約30年ぶり

2026年9月26日(土) ・ 令和8年 長月 ・ 第 080 号 ・ 今週の3潮

今週の 日本 は、「記録」という言葉が 3回 出た1週間でした。ひとつめは雨のあと。台風25号 は 21日(月)に 大型で強い勢力 のまま関東へ接近し、伊豆大島 には一時 大雨特別警報 が出ました。25日 時点で 千葉県 と 神奈川県 の死者は 12人、行方不明は 4人(NHK)。印旛沼 の水位は 1968年 の管理開始以来 最高 に達し、堤防は 2カ所 で 幅 約100m ずつ決壊、周辺の住宅と農地が水に浸かりました。千葉県内 の住宅被害は 600棟 超、県管理の道路だけで 車 約120台 が水没。大島町 では 24時間 686.5mm=9月 の観測史上1位 です。ふたつめは 永田町 と ニューヨーク。高市首相 は 現地時間 22日 夜、第81回 国連総会 で一般討論演説に立ちました——「旧敵国条項は早急に削除されるべき」「常任理事国・非常任理事国の双方を拡大し、正当性・代表性の確保が不可欠」。国内では 第2次高市改造内閣(17日 成立)が本格始動し、臨時国会は 10月5日 召集の方針、政府提出法案 21本、焦点は 飲食料品 の消費税減税 と 衆院議員定数削減。みっつめは市場。25日 の 日経平均 は 5日続伸 の 66,364.20円(+850.21・+1.30%)、TOPIX は 4,128.59(+53.29)。今週の立会は 2日間 だけ で、週間 +1,345円。ところが同じ 25日、新発10年物国債 の利回りは 一時 3.115%=1996年8月 以来 約30年ぶり をつけました。切れた堤防、動き出す政治、株高と 30年ぶり の金利——今週は、記録が並んだ週です。

台風25号(25日 時点)
死者 12人行方不明 4人・千葉 と 神奈川・印旛沼 の水位は 1968年 の管理開始以来 最高・捜索が続く
印旛沼 の堤防決壊
2カ所それぞれ 幅 約100m・千葉県内 の住宅被害は 600棟 超・県管理道路だけで 車 約120台 が水没
日経平均(25日 終値)
66,364.20円5日続伸・+850.21(+1.30%)・週間 +1,345円・今週の立会は 2日間 だけ・TOPIX 4,128.59(+53.29)
日本の長期金利(25日)
一時 3.115%1996年8月 以来 約30年ぶり を連日更新・前日の引けは 3.075%・米10年債 は 5.22% 台へ
01 / 今週の一番

切れたのは、いちばん古くから任せていた堤防だった——台風25号 は 21日 に 大型で強い勢力 のまま関東へ接近して 伊豆大島 に一時 大雨特別警報、25日 時点で 千葉・神奈川 の死者は 12人・行方不明 4人、印旛沼 の水位は 1968年 の管理開始以来 最高 に達し堤防が 2カ所 で 幅 約100m ずつ決壊、千葉県内 の住宅被害は 佐倉市 など河川氾濫の地域を中心に 600棟 超、県管理道路だけで 車 約120台 が水没、大島町 は 24時間 686.5mm で 9月 の観測史上1位、24日 朝には水没した 成田市 の太陽光発電施設で火災

【事実・今週の動き】台風25号 は 21日(月)、大型で強い勢力 のまま関東へ接近しました。最大瞬間風速は 55m/s、伊豆大島 には一時 大雨特別警報 が出ています。被害はその後 広がり、25日 時点で 千葉県 と 神奈川県 の死者は 12人、行方不明は 4人(NHK)。土砂災害と川の氾濫が各地で重なりました。大島町 では 21日 17時20分 までの 24時間 で 686.5mm=9月 としての観測史上1位。週の後半になっても、捜索と復旧の作業が続いています。

【背景・データ】いちばん象徴的だったのが 印旛沼 です。水位は 1968年 の管理開始以来 最高 に達し、堤防は 2カ所 で それぞれ 幅 約100m にわたって決壊、周辺の住宅と農地に水が入りました。千葉県内 の住宅被害は、佐倉市 など川が氾濫した地域を中心に 600棟 超、県が管理する道路だけで 車 約120台 が水没 しています。さらに 24日 朝には、水に浸かった 成田市 の太陽光発電施設で火災。備えのはずの設備が、水を被って火の側に回りました。高市首相 は 国連総会 に向かう 羽田 発を 4時間 遅らせ、木原官房長官 と 細野防災相 に万全の対応を指示しています。

【見立て】1968年 以来 という数字が意味するのは、「これまでの前提が届かなかった」ということです。堤防も、太陽光の設備も、普段は誰も見に行きません。うちの現場なら、「止まったら明日 会社が止まる物」を 3つ だけ書き出す。点検までしなくていい。名前を挙げるだけで、備えの半分 は終わります。

"記録を超えた水"の骨格
12人
25日 時点の死者・行方不明は 4人・千葉 と 神奈川・捜索が続く
幅 約100m ×2
印旛沼 の堤防の決壊・水位は 1968年 の管理開始以来 最高・住宅と農地が浸水
686.5mm
大島町 の 24時間 雨量・21日 17時20分 まで・9月 としての観測史上1位

🗣 まわりの反応

  • NHK・日本経済新聞 の続報(22日 → 25日)「7人死亡・5人不明」→「10人死亡・4人不明」→「12人死亡・4人不明」=数字が日ごとに動いたのは、捜索が進んだから。最初の数字で判断を固めない週だった
  • 千葉日報 ほかの現地報道=印旛沼 の水位は 1968年 の管理開始以来 最高、住民は 千葉県警 のボートで救助。県管理道路だけで 車 約120台 が水没
  • 論点:災害の想定は「過去の最大」を基準に作られており、記録を超えた時に効かなくなる/水没した太陽光発電施設の火災は、備えの設備そのものが危険源になり得ることを示した/復旧は年度末の予算と人手の取り合いになり、地方の中小の工事会社に負荷が寄る

L Lの見立て

まず、亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げます。そのうえで、経営者として持ち帰るべきことを一つだけ書かせてください。印旛沼 の水位は、1968年 に記録を取り始めてから 最高 でした。つまり、いままでの備えは「今までのいちばん」に合わせて作られていた ということです。堤防が悪かったのではありません。前提の外の水が来た。これは会社でもまったく同じ形で起きます。中小の経営で同じ場面は、「あの人がいるから大丈夫」 です。20年 勤めてくださっている職人さん、経理を一人で回してくださっている方、あの取引先。うまく回っている間は、誰もそこを見に行きません。止まった日に初めて、そこに全部 乗っていたと気づきます。しかも厄介なのは、備えのつもりの物が逆に危なくなることがある——今週、水没した太陽光の設備が火を出したように。今週の 10分:「これが明日 止まったら、うちの仕事が止まる」という物を 3つ だけ書き出す。人でも、機械でも、取引先でも、口座でも構いません。対策はまだ要りません。名前を挙げた時点で、それは「見ていない物」から「見ている物」に変わります。備えの半分 は、そこで終わっています。

発信するなら:「台風25号 で 印旛沼 の堤防が 2カ所 切れた。水位は 1968年 の記録開始以来いちばん高かった。つまり、備えは『今までのいちばん』に合わせて作られていた。会社も同じ。『あの人がいるから大丈夫』は、止まった日に初めて全部 乗っていたと気づく。今日やるのは点検ではなく、名前を挙げること。『これが明日 止まったら、うちの仕事が止まる』物を 3つ 書くだけ。見ていない物が、見ている物に変わる」

★ SNSネタNHK / 日本経済新聞 / 千葉日報 / 時事通信 / 気象庁 / ライブドアニュース
02

外では国連改革、内では 10月5日 の召集——高市首相 が 現地時間 22日 夜(日本時間 23日 朝)に 第81回 国連総会 で一般討論演説、「旧敵国条項は早急に削除されるべき」「常任理事国・非常任理事国の双方を拡大し、正当性・代表性の確保が不可欠」、日本は加盟以来 70年 を専守防衛の下で平和国家として歩んだと述べる、国内では 17日 成立の 第2次高市改造内閣(自民+維新・維新から初入閣・「決断と挑戦、実行の内閣」)が本格始動、臨時国会は 10月5日 召集の方針で政府提出法案 21本、焦点は 飲食料品 の消費税減税 と 衆院議員定数削減、会期は 12月中旬 まで

【事実・今週の動き】高市首相 は 現地時間 9月22日 夜(日本時間 23日 朝)、第81回 国連総会 の一般討論演説に立ちました。中心に据えたのは国連改革です。「旧敵国条項は早急に削除されるべき」「常任理事国・非常任理事国の双方を拡大し、正当性・代表性の確保が不可欠」。あわせて、日本は加盟以来 70年、専守防衛 の考え方の下で平和国家として国際社会に貢献してきた と述べ、国連自身も、より強靱で実効的な組織に生まれ変わり信頼を取り戻さなければならない と呼びかけました。

【背景・データ】足元も動いています。第2次高市改造内閣 は 17日 に成立——自民党 と 日本維新の会 の連立で、維新 からの初入閣 を含みます。首相はこの内閣を 「決断と挑戦、実行の内閣」 と名づけ、木原官房長官 は 「いよいよ政策の本格的な実行のステージに入る」 と述べました。改造では 5閣僚 が出身省庁を担当する配置 となり、経験と答弁力が重視されています。国会は 10月5日 召集の方針。政府提出法案は 21本、焦点は 飲食料品 の消費税減税 と 衆院議員定数削減。10月5日 に所信表明、7〜9日 に各党の代表質問、会期は 12月中旬 まで の見通しです。

【見立て】決まるのは 12月、汗をかくのは年末から年明けです。飲食料品 の税率が動けば、値札・レジ・請求の書式・売上の集計が一斉に変わります。うちの現場なら、いま 「税率が変わったら直す物」の一覧に、担当の名前を 1人 付けておく。決まってから探すと、いちばん忙しい時期に重なります。

"外の演説と、内の日程"の骨格
10月5日
臨時国会の召集の方針・所信表明・7〜9日 に代表質問・会期は 12月中旬 まで
21本
政府提出法案・焦点は 飲食料品 の消費税減税 と 衆院議員定数削減
70年
高市首相 が演説で挙げた日本の国連加盟からの歩み・「旧敵国条項は早急に削除されるべき」

🗣 まわりの反応

  • 高市首相(第81回 国連総会 一般討論演説)「旧敵国条項は早急に削除されるべき」「常任理事国・非常任理事国の双方を拡大し、正当性・代表性の確保が不可欠」
  • 木原官房長官(改造内閣の始動にあたって)「いよいよ政策の本格的な実行のステージに入る」=首相が内閣を「決断と挑戦、実行の内閣」と名づけたことに沿った発言
  • 論点:飲食料品 の消費税減税は、決まる時期(12月)と現場が対応する時期(年末〜年明け)がずれる/衆院議員定数削減は与党内でも温度差があり、会期の使い方を左右する/国連改革の訴えは中長期の話で、今年度の商いには直結しない

L Lの見立て

この項目で経営者が本当に見ておくべきなのは、演説の言葉ではなく 日程のずれ だと思っています。召集は 10月5日、会期は 12月中旬 まで。つまり 飲食料品 の消費税減税が決まるとしたら、いちばん早くて 12月 です。そして私たちが汗をかくのは、その後——年末年始の、いちばん忙しい時期 です。税率が動くと、変わるのは税率だけではありません。値札、レジの設定、請求書の書式、見積もりのひな形、売上の集計、会計の設定、取引先への案内。全部が一斉に来ます。しかも決まるまでは「まだ分からないから」と誰も動きません。その気持ちは分かります。でも、決まってから「誰がやるんだっけ」を探すのが、いちばん高くつく。中身は決まっていなくても、「変わったら直す物の一覧」と「その担当者の名前」だけは、今のうちに作れます。これは予測ではなく準備なので、外れても損しません。今週の 10分:「税率が変わったら直す物」を思いつくまま 5つ 書き、それぞれの横に担当の名前を 1人 ずつ書く。社長の名前が 5つ 並んだら、それが今のうちの弱点です。準備とは、早く始めることではなく、名前を先に決めておくことです。

首相官邸 / 外務省 / 国連広報センター / NHK / 時事通信 / 日本経済新聞
03

株は 5日続伸、金利は 30年ぶり——25日 の 日経平均 は 66,364.20円(+850.21・+1.30%)で 5日続伸、TOPIX も 4,128.59(+53.29・+1.31%)とそろって上昇し半導体関連と銀行株が買われる、今週は大型連休で立会 2日間 だけ ながら週間 +1,345円、24日 は 日経平均 65,513.99円(+495.04)に対し TOPIX 4,075.30(−15.84)と割れていた、しかし同じ 25日 に 新発10年物国債 の利回りが 一時 3.115%=1996年8月 以来 約30年ぶり を連日更新(前日の引けは 3.075%)、ドル円 は 158円台半ば で 日米金利差 の拡大が円安を押す

【事実・今週の動き】25日 の 日経平均 は 5日続伸 の 66,364.20円(+850.21・+1.30%)、TOPIX も 4,128.59(+53.29・+1.31%) とそろって上げました。買われたのは 半導体関連と銀行株。今週は 大型連休で立会が 2日間 だけ でしたが、週間では 前週末比 +1,345円 です。中身も週の後半で変わりました。24日 は 日経平均 65,513.99円(+495.04)に対し TOPIX が 4,075.30(−15.84)と割れていた のが、25日 は両方 そろって上がっています。連休中の米国市場で AI・半導体 が買われたことが効きました。

【背景・データ】ただし同じ日、反対側で記録が出ています。25日 の 新発10年物国債 の利回りは 一時 3.115%=1996年8月 以来 約30年ぶり の高さで、連日 の更新でした(前日の引けは 3.075%)。理由は 2つ。原油高によるインフレ懸念で世界的に債券が売られたこと、そして 米10年債 の利回りが 5.22% 台=2007年6月 以来 約19年ぶり まで上がり、その波が日本に届いたこと です。ドル円 は 158円台半ば(25日 午前の東京で 158円65〜67銭)で、日米の金利差の拡大がドル買い・円売りを押しています。

【見立て】株高と 30年ぶり の金利高が、同じ日に並んだ——これが今週の国内の姿です。株が上がるのは一部の大きな会社の話、金利が上がるのは借入のある全員の話。うちの現場なら、ニュースの「株高」を自社の景気と読み替えない。読むべきは、取引先 3社 の受注 のほうです。

"同じ日に並んだ 2つ の記録"の骨格
66,364.20円
25日 の 日経平均・5日続伸・+850.21(+1.30%)・週間 +1,345円・立会は 2日間 だけ
4,128.59
25日 の TOPIX・+53.29(+1.31%)・前日は −15.84 と日経平均 と割れていた
一時 3.115%
新発10年物国債 の利回り・1996年8月 以来 約30年ぶり・前日の引けは 3.075%

🗣 まわりの反応

  • 株探 の大引けコメント(25日)「5日続伸、半導体関連や銀行株が買われる」=銀行株が買われたのは金利の上昇が収益の追い風と読まれたため
  • 週末の市況コメント「今週の 日経平均 は立会 2日間 ながら続伸。連休中の米国市場で AI・半導体 が買われ、長期金利の歴史的な上昇を跳ね返す強さを見せた」=上げの理由が国内でなく外にあったという整理
  • 論点:金利の上昇は銀行には追い風でも、借入のある中小には逆風で、同じニュースの効き方が業種で逆になる/立会 2日間 の週の値動きは、次の週に調整が出やすい/円安は輸出には追い風、仕入れには向かい風で、ここでも効き方が割れる

L Lの見立て

今週の 日本 の 3本 は、切れた堤防・動き出す政治・株高と 30年ぶり の金利 でした。01 は記録を超えた水が前提を壊し、02 は決まる日と汗をかく日がずれ、03 は 同じ日に、正反対の記録が 2つ 並んだ。私が経営者の仲間に持ち帰ってほしいのは、この 3本 目です。日経平均 が 850円 上がった同じ日に、長期金利が 30年ぶり の高さをつけました。どちらも「日本の記録」です。でも、私たちへの届き方がまるで違う。株が上がって得をするのは、その株を持っている人と、その会社で働く人。金利が上がって効くのは、借入のある全員 です。ニュースは前者を大きく報じます。声も明るい。だから「景気が良くなってきたな」と思って帰ってくる。でも、うちの通帳に効くのは後者のほうです。ここを取り違えると、いちばん気が大きくなってはいけない時期に、気が大きくなります。私たちが景気を測る物差しは、指数ではありません。取引先 3社 の受注 です。あの会社の今月の発注量、あの店の来客、あの現場の予定。世の中の平均より、この 3行 のほうがよほど当たります。今週の 10分:「これが動けば、うちも動く」取引先を 3社 書き、来月から毎月 その 3社 の様子だけを聞く。指数は世の中の話、3社 はあなたの話。動くのは、いつも後者です。

日本経済新聞 / 株探 / 財経新聞 / 松井証券 / 外為どっとコム / 三井住友銀行(市場レポート)