01 / 今週の一番
原油、週間+4.7%でブレント75ドル台。停戦崩壊×ホルムズ商船攻撃で"中東ショック"再燃
今週の相場を支配したのは、やはり中東でした。トランプ大統領が米・イラン停戦の覚書を「終わりだ」と宣言し、イランがホルムズ海峡付近で商船3隻を攻撃。米中央軍は「ホルムズの航行の自由を脅かす能力をさらに削ぐ」ためとして、約90のイラン標的を空爆、翌日にはさらに90標的を追加。イランはバーレーンの米軍基地へドローンで反撃しました。ブレント原油は週間で約+4.7%上昇、7/10終値は75.5ドル/バレル付近。米はイラン産原油の制裁免除も撤回し、原油の供給不安は"想定内"から"現実"へと格上げされています。
日本への影響は静かですが深い。原油高+40年ぶりの円安=輸入物価の二重の押し上げで、ガソリン・電気・食料の価格に効いてきます。4月の実質賃金は+1.9%と4か月連続プラスでしたが、5月は+1.4%と伸びが鈍化。第一生命経済研究所は「秋以降に再びマイナス転落のリスク」と警鐘。ホルムズを通る原油は世界供給の約2割、日本の輸入の中東依存度は約9割——ここの綻びは、家計に効くのに時間差があります。"数字が良い"うちに、"数字が悪くなる筋道"を数える——これが、家計の秋を守る一番静かな作法です。
🗣 まわりの反応(賛否)
- Bloomberg「ホルムズが再び意識される限り、原油の底堅さは続く」との論調
- 市場「イラン産原油制裁免除の撤回は、需給ではなくシグナルの問題。緊張は"言葉"で強化される」
- アナリスト「原油高+円安のダブル圧力は、日本の秋の消費に効くのに数か月のタイムラグがある」との慎重論
- 一方「OPEC+はまだ増産余地を残しており、価格急騰は限定的」との抑制的な見方も
L Lの見立て
相場は"数字"より"矢印"で読む——これは日次でも週次でも変わりません。①停戦崩壊 → ②原油高 → ③米長期金利上昇 → ④ドル買い → ⑤円安加速 → ⑥輸入物価↑ → ⑦実質賃金↓。矢印は7段ですが、順番はほぼ動きません。数字が変わっても、順番は資産。今週覚えるべきはこの7段の連鎖です。良いニュース(実質賃金プラス)にも崩れ方(原油→円安→物価)を、悪いニュース(停戦崩壊)にも回復の芽(OPEC+の増産余地)を——両目で見る癖ができれば、判断が驚くほど落ち着きます。
発信するなら:「相場は"数字"より"矢印"で読む。原油→金利→ドル→輸入物価→賃金、7段の順番を覚える」
★ SNSネタBloomberg / HDFCSky / TradingEconomics / 第一生命経済研究所
02
ビットコイン $6.1万〜6.4万ドルで膠着。上下しても"崩れない"レンジ相場
今週のビットコインは週間で$63,026 → $61,242 → $64,368と、6.1万〜6.4万ドルの狭いレンジで往復。週前半は米民間データ会社Strategyが3,588 BTCの売却を開示し一時$61,242まで急落、しかし週後半には$64,368(+1.7%)まで戻し、下値の固さが確認されました。中東緊張のリスクオフでも、伝統的な安全資産(金・国債)へ資金が回り、暗号資産は"守り"の受け皿になり切れず。ただし年初の9.3万ドルからは半値以下、日本円で約940万〜1,000万円のレンジで膠着中です。
この静けさは、退屈ではなく次の材料を待つ姿勢と読めます。ETFフローは中立、機関投資家の追加購入は月次ペースを維持、オンチェーンの長期保有者比率もほぼ横ばい。「値段の話」ではなく「信用の話」で下げているわけではない——ここが今週の一番大事な事実です。半値以下でも下値が堅いなら、信用が完全には壊れていない証拠。焦って売り急ぐより、下値と上値を覚え、日銀会合(7/31)や次の中東イベントに向けてポジションを軽くしておく——それが正着だと私は見ます。
🗣 まわりの反応
- ビットバンク・アナリスト「940万〜1,000万円の下値は堅い。長期移動平均線が上値抵抗として機能」
- 「Strategyの売却は業績要因で、需給の悪化とは別軸。市場は冷静に消化」との見方
- 「BTCが安全資産化しないのは、いまだ"リスク資産"のカテゴリを抜け切れていないため」との構造論
L Lの見立て
相場が"静か"な週は、下手なアクションほど利益を削ります。下げが「値段の話」か「信用の話」かを分けられれば、狼狽売りは半分に減る。今週のBTCは、明らかに"値段の話"の範囲内。技術的な下値は940万円台で崩れず、骨は折れていません。焦らず、地の力を持つものを選ぶ——これは投資でも、事業でも、人間関係でも、同じ原則です。じっと呼吸を数えるだけで、判断は驚くほどブレなくなります。
発信するなら:「下げが"値段の話"か"信用の話"かで、対応は真逆。分けて読めば狼狽は半分に減る」
Yahoo Finance / bitbank / Bitget
03
ドル円161〜162円台の綱引き&日経は7万円→68,733円の調整。日銀7/31会合を睨む
ドル円は今週、162.37円 → 161.08円のレンジで綱引き。40年ぶりの安値圏で、原油高+米長期金利上昇+ドル買いが円を押す一方、介入警戒感で下値(円高方向)を試す動きも。政府・日銀の担当者から円安への警戒発言が繰り返され、市場は「日銀7/31会合の利上げ」を織り込みに行く姿勢に。日経平均は7万円台の高値から、対イラン報復報道を受けた7/8終値66,819円(-1,437円 / -2.11%)で3日続落、その後68,733円(-2.47%)まで戻す局面もあり、週後半は静かな立て直しとなりました。
今週の日本株の弱さは、日本固有の話ではありません。韓国KOSPIも同時に-5.35%、日韓は"AI/半導体バスケット"として海外資金に一括で扱われる状態が続いています。個別企業の努力が、地政学リスク一発で相殺される——これが今の市場の宿命。輸出企業(自動車・機械・電子部品)は円安追い風、輸入企業(食品・エネルギー・小売)と家計は逆風。業種で真逆の受け止めになる相場は、"一律に良い/悪い"の判定が効きません。自分の会社・自分の家計がどの矢印の側にいるかを、静かに位置づけるべき週でした。
🗣 まわりの反応
- 「円は40年ぶり安値圏。輸入物価を経由して家計に静かに効く」との警戒感
- 「日銀7/31会合で"利上げの地ならし発言"が出れば、円は一気に155円台へ振れる余地」との観測
- 「日韓バスケットで動く以上、日本個社の業績改善は市場では埋没する」との現実論
L Lの見立て
今週の相場は、"追い風か逆風か"を業種ごとに問う週でした。「良くなった/悪くなった」の一発判定より、自分がどの矢印の下流にいるかを先に決める。それだけで、狼狽もぬか喜びも半減します。日銀会合が近づくと、要人発言で日々値が動きます。数字を追うのではなく、"なぜ動いたか"の型を覚える——原油→金利→ドル→物価→賃金、その順番だけ頭に入れれば、来週のニュースも自分で読めます。順番こそが、資産です。
★ SNSネタ日本経済新聞 / TradingEconomics / みんかぶFX